研究内容

当研究室では、太陽電池や燃料電池、リチウムイオン電池などの環境にやさしいデバイスの開発に焦点を当てて、研究を行っております。当研究室では実験と第一原理計算とを融合させ、材料の電気的性質や性能向上に向けて研究を行っております。最近では鉛フリーペロブスカイトや白金フリー燃料電池の研究を行っております。もし当研究室に興味があれば、遠慮なくお気軽にご連絡ください。

リチウムイオン電池の高性能化及び低コスト化についての研究

Lithium-ion battery

ポータブル機器、電気自動車、大型蓄電システムなどの様々な領域の技術で使われるリチウムイオン電池の容量改善及び安全性の向上が必要です。そこで、本研究室は以下の研究を行っています。
① シリコン負極材料に関する研究
既成のリチウムイオン電池の負極として使われる黒鉛の比容量の理論値はわずか372 mA h g-1であるため、電池容量の向上を図るには比容量の高い新規の負極材料を開発する必要があります。シリコンは高い比容量理論値(4200 mA h g-1)を持つため、容量を大きくすることができるため次世代のリチウムイオン電池負極材料の中で、最もよい材料の一つであると考えます。本研究室では、様々なナノ構造を持つシリコン系負極材料の開発を行っています。
② 固体リチウムイオン電池の開発
従来の電極材料及び電解質を用いたLIBsの理論容量は、500 km以上走行する電気自動車の必要とされる容量(500 Wh/kg)には及ばないため、より高性能な革新的二次電池の開発が期待されています。その候補が全固体電池です。全固体電池は固体電解質と電極の界面抵抗が高いため、エネルギー損失が大きく、高速な充放電が困難という課題があります。そこで、本研究室は全固体電池における界面抵抗の低減及び高性能の固体電解質材料の開発を行っています。

次世代太陽電池に関する研究

Eco-friendly Perovskites

次世代ペロブスカイト太陽電池が誕生して以来、急成長を遂げており、その光電変換効率は既に25.5%を達しました。当研究室ではペロブスカイト太陽電池の材料開発及びデバイスへの応用に関する研究を行っております。
① 高性能の電子収集層材料開発
② 鉛フリーペロブスカイト材料開発
③ カーボンペースのペロブスカイト太陽電池の開発
④ 界面修飾に関する研究

色素増感太陽電池の白金フリー対電極の開発

Pt-free Counter electrodes

我々は、色素増感太陽電池に使用される白金(Pt)の対電極を置き換える新規材料を開発し、これら無機電極を伝達効率や安定性を高めるための対電極として使えるように作成しています。

 

白金フリープロトン交換膜燃料電池と固体酸化物燃料電池

Fuel Cells

燃料電池は、その高い発電効率と環境への優しさ、燃料のフレキシブル性から、今後有望と期待されるエネルギー変換デバイスの一つとして考えられている。この有望な燃料電池には、高い動作温度や成分間の界面反応、使われる材料が限定されるといった数多くのデメリットを持つ。当研究室では触媒のコストを増加させる要因であるPtを無くしコストを低下させ、また固体酸化物燃料電池の中間温度でのパフォーマンスを向上させるために、Ptフリーの触媒の開発を目的に、研究を行っております。

Zinc-air battery

Zinc-air Cells

空気電極で起こる反応である酸化還元反応(ORR)は、亜鉛空気電池の電力密度を向上させるうえで重要なポイントです。我々は、亜鉛空気電池の高パフォーマンスで充電可能な素晴らしい安定性を持つ新規の電気触媒の開発、特に空気電極のORR電気触媒の開発に力を注いでいます。