研究題目 2 「溶接部の熱弾塑性解析と溶接順序の最適化に関する研究」

1. 研究目的
 現在のプラント設備・機器は,時間の経過とともに耐用年数に近づき,補修や交換の時期を迎えてきている.そして,これらの設備機器は経済的な理由等で延命化が求められ,現設備のより正確な寿命予測や補修法案の策定に必要な各種データの収集が必要になってきている.本研究では,溶接構造物の新設ならびに現設備の更新および修復を行う際に,溶接部で生じる溶接による温度上昇,変形および残留応力を熱弾塑性解析によって定量化し,溶接シミュレーション技術を確立することで,その技術を幅広い分野に適用し,プラント設備の溶接構造物における設計・施工・診断・解析の技術革新を行うことを目的とする.

2. 研究課題
 溶接部では溶接による温度上昇,変形および残留応力が発生し,それを熱弾塑性解析によって定量化することはできるが,実部材の実験値と一致しない場合がある.そのため,解析方法や解析条件を補正して実験データと一致させる必要がある.また,熱弾塑性解析では解析時間がかなり掛かってしまうため,解析を簡素化できる固有ひずみ法を適用するが,そのためには固有ひずみのデータベースが必要である.さらに,大型構造物では溶接変形を最小にするための溶接順序を定める場合にも同様に大幅な解析時間が掛かってしまうため,その技術革新が必要である.

3. 研究手法
 実験により溶接による温度上昇,変形および残留応力の計測を行い,溶接部の熱弾塑性解析の結果の妥当性を検証する.また,得られる固有ひずみデータをAI技術でより多くの溶接条件の固有ひずみデータを獲得し,固有ひずみデータベースを構築する.さらに,AI技術により大型構造物の溶接変形を最小にするための溶接順序を最適化する.